はじめに
先日、NETFLIXで「伊藤潤二マニアック」が全世界配信されました。
独特の世界観のホラーで人気の伊藤潤二。
その影響は海外にも及びます。
「伊藤潤二マニアック」はスタッフなどが数年前にアニメ化された「伊藤潤二コレクション」と一緒で、アニメ化された作品も被らないようになっているので、ある意味続編ともいえるものとなっています。
田頭しのぶ監督が原作愛を発揮して原作ファンも納得の作品になっています。
そこで、この記事ではその前作「伊藤潤二コレクション」を紹介します。
アニメのあらすじと、それがコミックスの何巻に収録されているか紹介します。
ちなみにサムネイル画のキャラは右から
「なめくじ少女」の夕子
「四つ辻の美少年」の謎の美少年
「双一の勝手な呪い」などの双一
「画家」などの富江
「押切異談」の押切
「ファッションモデル」などの淵
になります。
＊なお原作のコミックスはアサヒコミックスから刊行されている「伊藤潤二傑作集」と「魔の断片」によります。
第一話
「双一の勝手な呪い」
あらすじ
陰気な少年、双一には秘密があった。
その秘密とは不気味な呪いをかける力だった。
解説
伊藤潤二作品としては「富江」の次に作品数の多い双一シリーズ。
コミックスでは傑作集3をまるまる1冊使っていました。
エピソードの中では比較的おとなしめのもの。
ちなみに国語の授業では後に出てくるエピソード「黴」を読んでいます。
三ツ矢雄二さんがピッタリと双一の声にハマっています。
出典
「伊藤潤二傑作集3」の「双一の勝手な呪い」より
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「地獄の人形葬」
あらすじ
世間では人形になるという奇病が浸透していた。
娘がなった両親は…
解説
原作もページ数の少ないエピソード。
人形も伊藤潤二作品では頻出するテーマですね。
出典
「伊藤潤二傑作集10」の「地獄の人形葬」より
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第二話
「ファッションモデル」
あらすじ
大学の映画サークルに所属する岩崎は、ある日見かけた雑誌の中のモデルの異様な風貌が頭から離れず悩まされていた。
その記憶がようやく薄れ掛けた頃、映画サークルでは主演女優を公募することになる。
応募書類の中には、岩崎が雑誌で見かけたモデルが。
岩崎の反対にも関わらず、監督の織田が彼女の採用を決めてしまう。
解説
ビジュアルのインパクトが最も強い作品。
小さい時に観たらトラウマ確定ですね…
名前の淵はやはり怪談「累が淵」からですかね…
小山茉美さん、最近は「ワンピース」のビッグマムとか「バスタード」の破壊神とか怖い役ばっかりですな。
出典
「伊藤潤二傑作集6」の「ファッションモデル」より
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「長い夢」
あらすじ
病院に入院する麻実は夜に不気味な男と出会う。
その男、向田哲朗は一晩に何日分もの夢を見て、しかもそれはだんだん長くなっているというのだ。
解説
「世にも奇妙な物語」のようなSF的な作品。
不思議な余韻があります。
出典
「伊藤潤二傑作集9」の「長い夢」より
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第三話
「四つ辻の美少年」
あらすじ
八年前に住んでいた街で再び暮らすことになった龍介。
その街には交差点に立って最初に通りがかった者の言葉で吉凶を占う、「辻占い」の風習があった。
龍介が越してきてしばらく経つと、四つ辻に立ち、霧の中に現れる美少年の噂がささやかれ始める。
解説
実写映画化もされた「死びとの恋わずらい」の全5話中の最初の1話。
映画は完全にオリジナルストーリーだったので、原作通りの映像化はファンには嬉しい限りです。
続編も全て映像化してほしいですね。
四つ辻の美少年役が緑川光さんでピッタリでした。
出典
「伊藤潤二傑作集4」の「死びとの恋わずらい」第一話「四つ辻の美少年」より
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「なめくじ少女」
あらすじ
おしゃべりで有名だった夕子がだんだん呂律が回らなくなり、不登校になった。
友人の利恵は自宅を訪ねてみるが…
解説
こちらもビジュアルインパクトが強い作品。
実写化したらすごそうですね。
出典
「伊藤潤二傑作集9」の「なめくじ少女」
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第四話
「寒気」
あらすじ
裕史の隣家に住む梨奈は、生まれつきの病気で自宅から1歩も外に出ない生活を送っていた。
ある日、彼女の腕に無数の穴が空いているのを見つけた裕史は、亡くなった祖父にも同じような穴があったことを思い出す。
解説
原作の細かい説明は省いて、とてもテンポの良い作品になっています。
出来事の順番もアニメのほうが良いですね。
説明があったほうが安心する方は是非、原作を読んで下さい。
翡翠というアイテムも神秘的ですね。
杉田智和さんが脇役で、いい味出してます。
出典
「伊藤潤二傑作集7」の「寒気」
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「あやつり屋敷」
あらすじ
治彦は旅芸人の一家に生まれた。
あやつり人形で劇をする一座だったが、父親が亡くなったことにより、兄は家出をしてしまう。
数年後、兄と再会するが、その家は人間があやつり人形のようにあやつられる家だった。
解説
古くは映画「デビルズ・ゾーン」とかからあるネタですが、伊藤潤二の絵だと怖さ倍増ですね。
出典
「伊藤潤二傑作集8」の「あやつり屋敷」
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第五話
「押切異談」
あらすじ
洋館に住む少年、押切は、家の廊下でクラスメート・未央に出くわす。
逃げるように彼女は姿を消すが、翌日、彼女は何も知らないようだった。
押切は、昨夜の未央は異次元の存在ではと考えるが…。
解説
全部で６話ある押切くんの怪しい洋館のエピソードの一つ。
この話だけでも成立していますが、この話６話中の５話なので、不思議な屋敷が唐突といえば唐突ですね。
こちらも全エピソードアニメ化してほしいです。
出典
「伊藤潤二傑作集10」の「押切異談」
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「布製教師」
あらすじ
陰気で問題の多い少年、双一。
今日も咥えている釘をクラスメイトに飛ばし、教師に怒られるところであったが、その教師も釘を咥えた、布でできているような風貌になっていた。
解説
１話に続いて双一シリーズのエピソード。
原作の布製人形の奇声が見事に再現されています。
一つ前のエピソード「双一の家庭訪問」を読んでいないとわからないところが多いと思います。
是非、「双一の家庭訪問」もアニメ化して下さい。
出典
「伊藤潤二傑作集3」の「布製教師」より
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第六話
「隣の窓」
あらすじ
父親が購入した中古住宅に家族3人で引っ越してきたヒロシ。
その新居の右隣は、窓が一つしかない家で、挨拶をしようと呼び鈴を鳴らしても反応がなかった。近所の人によると、夜になると2階に人影が映るというが…。
解説
古い怪談のようだし、都市伝説のような話。
こちらもビジュアルインパクトは抜群ですね。
小さい頃に観たら、トラウマになりそう。
くじらさんが隣人の役で… （大蛇丸思い出す）
出典
「伊藤潤二傑作集9」の「隣の窓」
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「緩やかな別れ」
あらすじ
璃子は幼い頃から、父親を亡くす夢をよく観ていた。
そして、由緒ある戸倉家へと嫁いだ。
そこは一族が亡くなった者を念じると残像として蘇る不思議な一族だった。
解説
不思議な味わいの一編。
「死」とは何かを考えさせられます。
出典
「魔の断片」の「緩やかな別れ」
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第七話
「中古レコード」
あらすじ
中山は友達の小川の家にレコードを聞きに行く。
それはジャケットが白紙でタイトルもアーティストもわからないが、素晴らしいものだった。
ダビングを頼むも拒む小川に、中山は…
解説
少し前のCD時代になってのアナログレコードの話。
中年世代にはなんとなく共感できますね。
原作のほうがレコードの歌手について細かい説明があるので、「よくわからないな〜」と思われた方は原作をお読み下さい。
私はアニメのほうがテンポが良くて好きです。
出典
「伊藤潤二傑作集7」の「中古レコード」
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「道のない街」
あらすじ
彩子の夢の中に現れた岸本が、同じく夢に出てきた男に殺された。
それ以来、彩子の部屋は常に自分の家族に覗かれるように…。
解説
前半と後半で全く違うような話になるのが素晴らしい構成の一編。
前半だと「エルム街の悪夢」のような夢ものだと思いますが違いました。
そして、ちゃんと前半の伏線は回収されます。
しかし、この脱出後は元いた街も「道のない街」のようになってしまうのでしょうか？
出典
「伊藤潤二傑作集6」の「道のない街」
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第八話
「ご先祖様」
あらすじ
突然記憶をなくしてしまった理佐は、牧田という男に送られて帰宅する。
さらに、理佐は巨大な毛虫の幻までに見るようになってしまい…。
解説
これは虫が嫌いな方にはトラウマ級の話ですね…
とにかく観て、嫌悪して下さい。
出典
「伊藤潤二傑作集9」の「ご先祖様」
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「サーカスが来た」
あらすじ
少年のいる田舎町に大サーカスが来た。
少年は引っ越してきた美少女がサーカスの一員なのではと思い、ドキドキしながらサーカスを見に行く。
解説
もうブラックユーモアを通り越していて、逆に清々しいですね。
何が起こっているのか漫画の方がわかりやすいので、モヤモヤした方は原作を御覧下さい。
出典
「伊藤潤二傑作集7」の「サーカスが来た」
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第九話
「画家」
あらすじ
新進画家・森光夫の個展「ナナのアンニュイな世界」は盛り上がっていた。
そこへ現れた美女・トミエは、「モデルを変えたら絵がもっとよくなる」と言い残して去る。
森はトミエをモデルに絵を描くことに。
解説
ついに富江きた〜、と伊藤潤二ファンとしてはなりますね。
９話目にしてやっとなので、散々じらされた感じです。
ただ一番地味なエピソードだと思うので他の悪夢のような作品をアニメ化してほしいです。
出典
「伊藤潤二傑作集1」の「画家」
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「血玉樹」
あらすじ
安西と加奈のカップルは山道をドライブして事故に合う。
電話のある民家を探し山をさまよったが、不気味な子供達が…
解説
伊藤潤二作品では、植物や動物に変身する話が多いのですが、この作品もその一つ。
メタモルフォーゼというと手塚治虫を思い出しますね。
アニメのほうがテンポが良いですが、漫画ではもっと説明がありわかりやすいです。
謎の青年役を石田彰さんが演じています。
出典
「伊藤潤二傑作集8」の「血玉樹」
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第十話
「グリセリド」
あらすじ
富士山の裾野にある唯の家は、脂性の父と陰湿な兄との3人暮らしで焼肉屋を営んでいた。
脂まみれの家が大嫌いな唯は、いつしか部屋の中の空気中の油の濃度までわかるようになり…。
解説
血とか虫とか生理的に気持ちが悪いものを取り扱うのも伊藤潤二作品らしいところ。
今回は「油」。
女性はかなりキモいと思うのでは？
ニキビから吹き出るのも若い人にはきついですね。
出典
「伊藤潤二傑作集11」の「グリセリド」
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「橋」
あらすじ
田舎の祖母に呼び出された加奈子。
祖母の家の前の橋の袂で幽霊をみた加奈子は…
解説
田舎の独特の葬儀に関わる話。
伊藤潤二は不気味な田舎の村を描かせたら世界一ですね。
ちなみに各エンディングの絵は毎回そのエピソードのキャラで、最後にニヤッと笑ったりするパターンが多いのですが、このエピソードは「おそでちゃーん」です（笑）
本当に作品への愛が感じられ、芸が細かいですね。
出典
「伊藤潤二傑作集7」の「橋」
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第十一話
「超自然転校生」
あらすじ
転入生・束野がやってきた。
散歩をすると不思議な体験をするという彼を、麻衣子たちは「超自然同好会」に誘う。
束野が仲間になったことで、彼らは新たな体験をする。
解説
オカルト雑誌とかへの皮肉でしょうか？
嘘つきのオカルトマニアに本物の超常現象が起こるのが笑えますね。
出典
「伊藤潤二傑作集8」の「超自然転校生」
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「案山子」
あらすじ
親に結婚を反対された由紀は自殺した。
交際相手だった俊夫は由紀の父親に墓参りをさせてもらえない。
そんな時、由紀の墓の前に立てた案山子が由紀の顔のようになる。
解説
一応、実写映画化されましたが、内容は全くの別物でした。
鑑賞される際は「違う作品」だとご認識の上、御覧下さい。
「富江」にしろ「死びとの恋わずらい」にしろ、どうしてオリジナル脚本にしてしまうんでしょうね…
その点、原作通りなので、このアニメシリーズは安心して鑑賞できます。
こちらも案山子がリアルだと不気味ですね。
出典
「伊藤潤二傑作集7」の「案山子」
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十二話
「潰談」
あらすじ
南米から帰国した尾木は、命がけで持ち帰ったという壺を友人の杉男に見せる。
ジャングルの中たどり着いた集落で土産に渡されたという壺の中には蜜が入っていた。
尾木に勧められ、杉男はその蜜を飲むのだが…。
解説
「潰れる（つぶれる）話」で「潰談（かいだん）」です。
「怪談」とかけています。
映像的には少し前のJホラーという感じですね。
登場人物とかジャングルの時間を多くすれば映画一本できそうな話です。
こちらも原作の方が説明が詳しいので、気になった方は原作をお読み下さい。
出典
「伊藤潤二傑作集11」の「潰談」
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「噂」
あらすじ
陰気で問題の多い少年、双一。
しかし、最近なぜか彼に関する良い噂ばかりが流れていた。
解説
１話と５話に続いて双一シリーズのエピソード。
一冊まるごと双一のエピソードだった傑作集の３の最終エピソード。
しかも最後にまさかの「ファッションモデル」の淵さん登場！
この「伊藤潤二コレクション」は双一に始まり、双一で終わっています。
出典
「伊藤潤二傑作集3」の「噂」より
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十三話
ここからの二話はテレビ放送時にはなかった作品です。
ちょっと内容的にテレビはアウトだったんですかね…
「富江」
あらすじ
死んだはずの富江が登校してきた。
それは同じクラスの人間にはありえないことだった。
なぜなら富江を殺したのは…
解説
やっと映像化された最初の富江。
これが伊藤潤二のデビュー作です。
すごい発想力ですよね。
しかも枯れずに今も活躍されています。
アニメ化に当たって、後の洗練された絵柄の富江でなく、原作通りの少し丸顔の富江ですね。
出典
「伊藤潤二傑作集１」の「富江」より
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「富江PART2」
あらすじ
北山正は同級生の雪子の病室に通っていた。
雪子は重い腎臓病だった。
そんな正は海辺で出会った麗子という女に恋していた。
その麗子こそ…
解説
実写映画化された「富江replay」ではこの後の事が描かれています。
このエピソードの後からモンスターとしての富江が大活躍しますね。
「富江」シリーズは全てアニメ化してほしいです。
出典
「伊藤潤二傑作集１」の「富江PART2」より
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