祝、映画化「夏目アラタの結婚」(ネタバレあり)

漫画
本記事はアフィリエイト広告を利用しています。

はじめに

この記事では、実写化され、2024年9月から劇場公開が決定した、「夏目アラタの結婚」を取り上げます。
「医龍」や「幽麗塔」の乃木坂太郎の描く、サスペンスもの。
この作品の売りは、映画「羊たちの沈黙」の様な、アクリル板越しの心理合戦。日本の漫画で映画のキャラクター、レクター博士からインスパイアされたキャラクターは数多いですが、初老の天才博士という映画のキャラとは大きくかけ離れた人物なのが新しかったです。
それでは本文へ。

主な登場人物

夏目アラタ(なつめ あらた)
児童相談所で働く、元ヤンの公務員。
年齢30代の男性。
ひょんなことから、死刑判決を受けた女性、品川真珠と結婚する事になる…

品川真珠(しながわ しんじゅ)
遺体損壊の罪と殺人罪の疑いで、死刑判決を受けた21歳の女性。
逮捕時にピエロのメイクをしていた事から、通称「品川ピエロ」と呼ばれている。
ボロボロの歯がトレードマーク。

裁判関連

宮前光一(みやまえ こういち)
弁護士。
30代のイケメン男性。
品川真珠の弁護を手弁当で行なう弁護士。
虐待されていた幼少時の真珠を目撃した過去がある。

藤田(ふじた)
死刑囚アイテムのコレクター。
50代くらいと思われる、バツイチの男性。
新聞配達店を営む。
留置所や裁判所でアラタと知り合い、次第に意気投合していく。

神波(かんなみ)
裁判長。
洞察力の優れた60代くらいの男性。
自分が仮面夫婦である事から、他人の嘘には敏感である。

井出(いで)
留置所の面会時に立ち会う刑務官。
女性にはモテなさそうな中年男性。
アラタと真珠の面会時は、ほぼ、彼が立ち会う。
偶然、焼肉屋で出会ったアラタに真珠の“宿題”へのアドバイスをする。

児童相談所

桃山香(ももやま かおり)
通称「桃ちゃん」
児童相談所でのアラタの先輩。
自称「うすぽっちゃり」な体型の30代の女性。

大高利郎(おおたか としろう)
児童相談所の所長。
大柄な体型の60代くらいの男性。
アラタが学生時代に暴れている時からの知り合い。
アラタの事を息子の様に思っている。

犠牲者の遺族

山下卓斗(やました たくと)
3番目の犠牲者の息子。
10歳の少年。
アラタのフリをして、真珠と文通を始めた張本人。

周防沙菜(すおう さな)
最初の犠牲者の妹。
女子大生。
何かとアラタの気を引こうとするが…

犠牲者3名

周防英介(すおう えいすけ)
最初の犠牲者。
建築事務所の設計士。

相沢 純也(あいざわ じゅんや)
2番目の犠牲者。
有名な塾の講師。

山下(やました)
3番目の犠牲者。
美容師。

真珠の家族

品川環(しながわ たまき)
真珠の母親。
真珠を連れて、ぼろアパートを転々と引っ越した。

三島正吾(みしま しょうご)
真珠の父親と思われる人物。
真珠にストーキングして、かつ性的虐待をしていて、今回の連続殺人事件の犯人だと真珠は言うが…

アラタの家族

寺井綾子(てらい あやこ)
何度も再婚しているアラタの母。
元ヤンで水商売だった女性。
現在は大手金融会社の重役の夫とその息子(小4)がいる

あらすじ(ネタバレありです)

最初の面会

品川真珠によって、父親をバラバラにされ、遺体の首を隠された少年、山下卓斗が、「父親の首」を埋めた場所を聞き出すため、留置所にいる品川真珠と文通のやり取りを数回行なった。
遺族だとバレない様に、知っていた夏目アラタの名前を使っていたところ、真珠本人から、「会いたい」との手紙が来て、音信不通になった。
そこで、本当の夏目アラタに真珠に会ってもらえないかを相談する。
児相の職員でもある事から、卓斗の願いを聞き入れ、真珠に会いに行くアラタだったが、手紙を書いた人間とは別人だと見抜かれ、面会が終わってしまいそうになる。
そこで、咄嗟にアラタは「俺と結婚しようぜ」と切り出し、場をつなぐ。
真珠の手紙から「母親の様な安心できる匂いがする。恋は出会う前から始まっていた」というアラタに、真珠は「一緒に暮らせるか?」と問いかけ、アラタが同意すると「じゃあ、出るね」と出所する意志をみせる。

最初の面会の後、真珠の担当弁護士、宮前がアラタに会いに現れる。
過去に虐待されていた真珠と出会った事のある宮前は、アラタに本当に結婚の意思があるのか尋ねる。

二度目の面会

弁護士の宮前と同行したアラタは、真珠にアラタの事がもっと知りたいから、何か今まででした一番悪い事を話せ、と言われる。
少し、話を盛って、過去に虐待していた父親を殴り、殺意があった事を語ると真珠も、お返しに秘密を教えると言う。
「ボクは誰も殺してない。無罪だ」と突然言い出す真珠。その場は「信じる」と嘘を付くアラタ。

三度目の面会

宮前に頼まれ、真珠の過去を聞き出そうとするアラタ。
桃ちゃんに言われ、この件から手をひこうとするも、真珠に悟られる。
「何かを河原に埋める夢を見た。アラタと一緒なら、もっと夢が見られる」と言われ、手を引けなくなる。

真珠に言われた場所を掘ったら、最初の犠牲者、周防英介の左腕が見つかった。
それがきっかけで、周防英介の妹、沙菜と知り合う。
控訴審を控え、それまで黙秘を保っていた真珠だったが、黙秘はやめると宮前に伝える。

四度目の面会

周防英介の事を尋ねるアラタに真珠は、気持ち悪いと言う。
「もしかして、どこかに子供がいるかも?」というアラタに、強烈な嫌悪感を顕にする真珠。
「自分のどこが気に入ったか」と尋ねるアラタに「子供の様な字を書くところ」と答える真珠。
山下卓斗の存在に気がついていることを匂わせ、すぐに婚姻届を持ってくるように真珠はアラタに告げる。

桃ちゃんとの面会

桃ちゃんの存在を突き止め、面会する真珠。
自分の一人称をいつもの「ボク」から「私」に変えて、アラタのお気に入りの桃ちゃんになるという真珠。
散々、罵倒して、桃ちゃんの結婚に対する本音を引き出した後、謝罪する真珠に、「またね」と言う桃ちゃん。

下着の差し入れのやり取りから、死刑囚アイテムのコレクター、藤田と知り合いになるアラタ。
藤田と話して、自らの醜い気持ちに決別をつけようと決める。

五度目の面会

本気でぶつかると決めたアラタは「自分らしさを無くすな。もし、それがわからないなら2人で見つけていこう」と切り出す。
「24時間あったら、2人で何をするか考えといて」と言う真珠。
はくらかす真珠に戸惑うアラタ。

面会後、宮前と会ったアラタは、宮前から新しい証人が見つかって、真珠が無罪になる可能性が出てきた事を告げられる。

「24時間あったら、2人で何をするか考えといて」という真珠の問を沙菜に相談するアラタ。
偶然、同じ店に居合わせた面会時の刑務官に「お互いの裸を絵に描き続ける」という答えをもらう。

差し入れの下着から、沙菜の存在に気づく真珠。

裁判を前に婚姻届を出さないなら、結婚詐欺で訴えると宮前に言われるアラタ。

六度目の面会と七度目

真珠の指示通り、白いタキシードで面会に臨むアラタ。
婚姻届を目に、アラタの予想外の子どものような笑顔を見せる真珠。
アラタには迷惑をかけないと言う真珠に、重すぎると思うアラタ。

宮前と共に役所に婚姻届を提出するアラタ。
沙菜に誘惑されるも、今夜は初夜だと思い、断るアラタ。

七度目の面会は、アラタは、真珠に「裁判で話す」と軽くあしらわれる。

第一の公判

抽選で死刑囚アイテムのコレクターの藤田と再会したアラタ。
初めて見る裁判の分からない点を藤田に尋ねながら、公判に見入る。
一審の時の太った姿を期待した聴衆をよそに、痩せた体型で清楚な服装で現れる真珠。
裁判冒頭の答弁で、現在は結婚して「夏目真珠」だと名乗る真珠。
次回の公判の開催を確認して、閉廷しようとする時に、真珠は黙秘をやめた理由は結婚したからだと言い、また、法廷をスケッチしていた人に絵を見せてもらい、泣いてみせる。

二度目の桃ちゃんとの面会

「もしや、父親をかばっているのでは?それを確認してほしい」と宮前から頼まれた桃ちゃんは、真珠と二度目の面会に挑む。
父親をかばっていると言う真珠に疑いを抱く桃ちゃんと、信じ切る宮前。

アラタは真珠が過去に世話になった養護施設と児相を巡り、母親との関係を探っていく。

八度目の面会

養護施設や児相から仕入れた情報から、真珠から母親の事を聞き出そうとするアラタ。
歌の事を聞くと歌い出し、そして、嘔吐する真珠。

自分の気持ちが分からないと所長に相談するアラタに、真珠から離婚届が届く。

また、週刊誌に死刑囚と結婚したとすっぱ抜かれるアラタだったが、密告したのは卓斗の母親のようだった。

第二の公判

藤田と再会し、一緒に傍聴席に座るアラタ。
高校の制服の様な姿で出廷する真珠。
真珠のストーカーらしい男を目撃したというホームレスの男性を証人に話す宮前弁護士。
そのストーカーが殺人犯とは限らないと言う検察官に真珠が証言を始める。
自分の父親だといい近づいてくる男がいたと証言する真珠。
病院から毒物を盗んだのも、父親を殺そうと思ったからだと。
しかし、庇っていた父親の事を話してしまったので、「生きている価値が無い。もう死にたい」という真珠に裁判長は「前の裁判では夫に勇気をもらった」と言っていたと問われると「もう離婚したので、ここにもいないと思う」と言う真珠に咳払いをして、存在をアピールするアラタ。
笑顔で振り返る真珠に傍聴席の人達は惹かれていく。
裁判長はノートにメモで「演技力 怪物」と記す。
休廷時間に行く時、看守の結婚指輪を見つけて、羨ましがる真珠。
どれだけ同情を集められたか確認する真珠を「怪物」と警戒する裁判長。
休廷後、父親が犠牲者を解体する現場に出くわし、遺体の一部を隠しただけと主張する真珠。
不自然な点が多く、次回の公判までに検察が捜査する事となる。
指輪がほしい事をアピールし、聴衆を和ませる真珠だったが、アラタは父親が見つからないと確信しているらしい真珠を見て、「父親も殺害しているのでは?」と疑いを持つ。

九度目の面会

いつもの駆け引きから始まり、アラタの父親の話になった時、アラタは自分の父親の口説き文句を真珠に話す。
「止まった時間を動かす」という言葉に反応して、「僕が待っていたのはアラタだ。」と泣く。
何が真珠の心を動かしたのか分からないアラタは距離を置こうとする。そこで、遺体の脚を埋めた場所を唐突に話し出す真珠。
さらに首の埋めた場所を聞き出そうとするアラタに真珠は錯乱し、「アラタと可愛い家で暮らす」と言って、面会は終わる。

二番目の被害者の脚が発見され、宮前との会話からタバコの匂いで、最初から文通の相手とは別人だと真珠にバレていたとアラタは気がつく。
担当の検事がアラタに気をつけるように忠告しにくる。それによって、真珠と面会したことを隠していた桃ちゃんはアラタにバレてしまう。
そして、2人目の犠牲者が法学部の学生だった事から、その男から真珠は法律の知識を得たのではと推測する。

第三の公判

アラタとの話から真珠に興味を持った卓斗は、アラタの制止を聞かず、公判の傍聴席に座る。
卓斗は、実は文通の相手は自分だったとカミングアウトし、また、父親の好きだった映画「レオン」の登場人物マチルダの衣装を法廷で真珠に着てほしいとせがむ。
卓斗の望み通りマチルダのコスプレで出廷した真珠は卓斗に笑顔を送る。
始まった法廷では検察官から、真珠の両親の若き日写真が公開される。
しかし、DNA鑑定では、真珠が自分の父親だという三島は真珠の父親ではなかった。
写真を見た真珠は、取り乱し、法廷は一旦、休廷となる。
アラタに無断で法廷に来た卓斗を怒るアラタだが、卓斗はトイレに行ったフリをして、帰らなかった。
真珠と精神的に夫婦になっていると気付いたアラタ。
真珠は、父親でなく、母親の姿に激しい反応をみせたと思う裁判長と検察官。
それぞれの思惑を胸に法廷は再開される。
真珠の住んでいた部屋の畳にあった血痕が三島正吾のものであるとDNA鑑定の結果から判明し、弁護側は三島正吾が他の被害者と争った後だと主張した。
そこで、裁判長は「真珠は品川環の娘でもないのでは?」という疑問をぶつけるが、真珠に否定される。
次に検察側は、相沢純也の脚が発見された場所から注射針も発見し、犯行に使われたものとみなされた。
真珠に不利になっていくと思われた裁判だが、絞首刑の話などをし、「死にたい」という真珠に、咳払いをし存在をアピールするアラタ。
眼中にないフリをした後、傍聴席のアラタの下に飛び込んでいく真珠。
これにより、今回の法廷は閉廷となる。
 
真珠の母に謎を解く秘密があると思ったアラタは自分の母親に相談するが、母親はアラタは真珠に完全に踊らされているから気をつけろと言う。

また、裁判長は真珠の行動は演技であり、自白すると不利になる事を、アラタに謎を解かせようとしていると推理する。
検事にも、真珠に操られていると言われたアラタは、事件解決のヒントを漏らさず聞くために、宮前弁護士と一緒に面会に挑む。

十度目の面会

検察に目をつけられた二人は、事件に関する話を直接話せなくなってしまった。
そこで、真珠から「ボクが死んだら、母の実家の裏山に埋めてほしい」と言われたアラタは、そこに何かが埋まっていると思い、掘り起こしに出かける。

真珠の母親の実家に行ったアラタは裏山を掘り起こし、大変なものを見つける。
秘密を知ってしまったアラタは所長に胸の内を打ち明ける。
宮前に、「(アラタの様に)一人の人間として向き合うのが、真珠の心の扉を開く鍵だ。あなたがいてよかった」と言われ、今は宮前と同じ様に真珠の事を可哀そうに思っている事を真珠に悟られないように、羽織袴で面会に行く。

十一回目の面会

真珠の母の実家に行って、間接的にあれを掘り返した事を伝え、そして、指輪を持って行くが、逆に不自然な態度を真珠に怪しまれる。
さんざん罵倒して、アラタに怒れと言う真珠に、遂にアラタは「お前が子供だから」と言い、裏山で見たものは赤ん坊の死体で、たぶん、それは本当の品川真珠で、今いる真珠は死んだ子供のかわりにつくって、育てられた子だと告げる。
亭主として何か言うことは無いかと真珠に問われたアラタは、真珠はアラタに殺して欲しいと思っていると確信する。

宮前と話したアラタは、宮前から未成年なら死刑判決免れると聞かされる。また、以前の発言から、真珠は心の底では生きたがっているのでは?と思い始める。
真珠が未成年なら、児相の職員である自分は手を出せないと言うアラタに桃ちゃんは、児相を辞めてもいいと言う。
検察に先を越されないように、赤ん坊の遺体のDNA検査をしたいという宮前の要望を受けて、アラタは再び、真珠の母親の実家の裏山に出かけて、髪の毛を採取した。
宮前から、未成年なら裁判のやり直しになると言われた真珠は、アラタに次の公判には絶対に来てほしいと伝えてと言う。また、出所してやりたい事は鳥葬にしてほしいとも。

十二回目の面会

宮前から、赤ん坊の髪の毛採取の件で、捏造を疑われて、しばらく、面会の制限がかかる可能性があると言われたアラタは、おそらく最後になると思われる面会に挑む。
普通の幸せは自分には無理で、亡くなった姉なら相応しいと言う真珠に、アラタはそんなこと言うなと告げる。また、日本語で真珠星のスピカを姉に例える真珠。最後に、「助けて」と呼んだら、絶対に来てと真珠はアラタに告げる。

DNA鑑定の結果から上申書が出され、公判は数週間の延期となった。公判の事前の打ち合わせから、真珠が未成年である可能性がある事から、検察側、弁護側の双方に上告権の放棄書の提出を裁判長は求める。

周防英介の命日に周防家を訪れたアラタは沙菜と、海に出かける。そこで、アラタは沙菜に、自分は真珠の夫なので、もう二人きりでは会えないと告げる。

児相の所長に、なんでも話せと言われ、児相に残るのも悪くないと思うアラタだった。

宮前と話す真珠は、次の裁判ではバイクで来て欲しいのと上告放棄書をアラタに提出させて欲しいと頼む。

第四の公判

宮前との約束通り、バイクで裁判所に来たアラタは傍聴席の抽選に外れ、外で待つことになる。
裁判が始まり、真珠はライダースーツで現れる。真珠が未成年の可能性があるため、公訴は棄却となる。
アラタは宮前から、上告放棄書を裁判所が閉まる時間17時のギリギリ手前で提出するように言われる。
上告放棄書が提出されたか確認しにきた裁判長の前で、アラタは上告放棄書を提出し、裁判長に今、真珠を拘束している法的根拠はあるのか尋ねる。裁判長は法的根拠は無いと答えた。
裁判所の前で、拘束を解かれた真珠は、留置所に戻る事を拒否し、看守達に囲まれる。そこでアラタを呼ぶ真珠に、アラタではなく裁判長が現れる。裁判長からアラタは帰ったと聞いた真珠はライダースーツの前をはだけ、看守達から逃げ出す。
裁判所の入口近くまで逃げた真珠に看守達や警備員が迫る。もう、捕まると思い、昔を思い出し、諦めた真珠にバイクのエンジン音が聞こえる。アラタはバイクに真珠を乗せ、二人は逃亡した。

脱走

藤田の家へ

行く場所の無い二人は死刑囚アイテムのコレクター藤田の元に行く。
藤田の好意に甘えながら、二人は最後の一線は越えずに済む。
真珠の本当の父親を捜すために、二人は藤田の家を後にする。

山下の首と母親の携帯

道すがら喫茶店に寄った二人。なぜ2年間黙秘を続けたのかと問うアラタに、真珠は出産のカルテが破棄されるのを待つためだったと答えた。
看護学校時代に亡くなった老婆の墓の納骨場所に亡き母親の携帯を隠したという真珠の言葉通りに、ガラケーと山下の首が残っていた。
警察に匿名で連絡して、山下の首を遺族に返そうというアラタに、亡き山下が本当は血が繋がっていない家族とは一緒の墓に入りたくないと言っていたので反対するという真珠。
ガラケーを充電しに行く途中、なぜ、犯行時にはまた太ったのかとアラタが尋ねると、人をバラバラにするには、重い体重が必須だと答える真珠。
なぜ、色々な事を自分に教えてくれたのかとアラタが真珠に尋ねると、真珠はアラタに「賢い人」だと思われたかったからだと照れた。
ガラケーの画像を探す中、予備校の講師が自分の父親だと思っていた真珠は、画像の中に予備校生の宮前らしき人物の後ろ姿を発見する。

宮前と話す

宮前は真珠の母、環と関係を持っていた。
真珠の父親の可能性があり、また、スピカ(真珠星)が二重星である事を入れ知恵した事に腹を立てた真珠は、二人の前から姿を消す。

沙菜と話す

もし、真珠が誰かに殺されようとしているなら、沙菜が一番、真珠を憎んでいると思い、沙菜の足取りを辿る二人。
予想通りアパートの一室で沙菜を呼び出した真珠は殺害した周防英介について、沙菜に話し始める。
義理の兄を溺愛していた沙菜に、英介は沙菜を愛していなかったと煽り、アラタとくっつく事を勧める真珠。
死にたがっていた英介の殺害を自白した真珠をドライブに連れ出すアラタ。
二人で死ぬが、その死の時までのわずかな時間、真珠が全ての事から自由になれると言うアラタに、ワクワクしてきたと言う真珠。

アラタの母との会話

自分の父親代わりとして大高利郎に、軽く挨拶した後、アラタは呼び出した母親の綾子と真珠を会わせる。
母親と言い合いながらも結婚指輪を貰う真珠。
母親の嫌な予感をよそに二人はドライブへと戻る。

死へのドライブ

ドライブの途中、真珠は2人目の犠牲者、相沢 純也について話し始める。
相沢 純也は人気の塾講師になり、親に祖父母の施設の費用などを背負わされ、人生に希望を失い、疲れ果てていた。司法試験に落ち、再受験を諦めた相沢は司法に爪痕を残したかった。死ぬ計画を立てていたのに、先に周防に死なれて、切羽詰まってしまったのだ。
仮面をつけていないというアラタに懐く真珠。
以前、話していた出所したら、したいことを尋ねるアラタに真珠は、一緒に歌を歌いたかったと答える。歌おうとした真珠は、周防英介への好きだった気持ちを思い出す。「俺だけを見てくれ」とキスするアラタをはねのけた時、二人は中央分離帯に激突する。

入院後

二人は重体になり、その後、アラタは一月の昏睡状態の後、目覚める。
宮前を通じて、アラタは離婚届を渡される。
病院の喫煙所で裁判長は偶然を装いアラタに話しかける。想いを拒絶されたが、悪くない結婚だったと言うアラタに裁判長は、意外と真珠もアラタに生きてほしいと想いブレーキを踏んだのかもと告げる。

その頃、真珠は検察官に全ての事件を語り始める。3件の自殺幇助と三島正吾の殺害。そして、事件当時、多分18歳だったと告げる。
自白して、アラタや他の男達の気持ちが分からないという真珠に検察官は、それはエコーチェンバー現象という同じ様な価値観を持つ者同士が交流する事で、自分の考えが増幅されていくというものだと言われ、真珠は周防英介を愛してはいなかった。真珠自身の事しか見てなかったと言われる。

退院後

アラタは退院祝いの飲み会の後、藤田に、今までの犠牲者の男達3人は真珠が自殺しない為の時間稼ぎをしていて、その生命のリレーの最後が自分だと語った。
そして、真珠の裁判員裁判が始まる。
以前の様に面会を求めるアラタだったが、真珠は会ってくれない。
最後の手段として、アラタは「俺がプロポーズした理由」を話すといい、面会にこぎつける。
アラタは自分の弱さをさらけ出し、そんなアラタに真珠は「ボクと結婚しよーぜ」と言う。

9年後

後日談は…
漫画をお読み下さい。
ゴメンナサイ

謎について(ネタバレそのものです。読書後にどうぞ)

卓斗に依頼された父親の首は、どこにあったの?
真珠が看護学生時代に知り合った身寄りのない老婆の墓の骨壺を収める場所に、真珠の母のガラケーと一緒にしまってあった。

犠牲者3人は誰が殺したの?
真珠が死にたがっていた3人を毒殺しています。

真珠の部屋にあった血痕は誰のもの?
三島正吾のもので、真珠が刃物で刺し殺した跡でした。

真珠がピエロのメイクをしていたのはなぜ?
犠牲者達よりも犯人の自分に一般人の目がいくようにと、真珠も本当は亡くなった姉にあたる人物の代わりを演じてきた者だから。

真珠の本当の父親は誰?
結局、不明でした。

真珠が逮捕時に太っていたのはなぜ?
遺体をバラバラにするのに体重が重いほうが楽だから。

真珠はなぜ捕まってから2年間も黙秘を貫いたのですか?
出産時の記録が破棄されるのが概ね20年だからです。

真珠の本当の年齢はいくつですか?
真珠の母、環の残した携帯から犯行当時18歳、現在は20歳と思われます。

真珠の知能指数が小さい頃より急に上がったのはなぜですか?
知能指数テストは偏差値の様にあくまで、その年齢の人達の中での比較なので、実年齢より2つくらい上の年齢と比較されたために、知能指数が低かったのです。

最後に

映画化され公開が決まりましたが(この記事の執筆時、2024年7月)、
とても映画一作で終わる尺ではないので、続編をつくるか、ネットドラマで全20話くらいでやってほしい、というのが筆者の希望です。
また、このヒロインは魅力的すぎる!
なかなか、演じる上でハードル高いと思いますが、どうなんですかね…

コメント

タイトルとURLをコピーしました