悪魔、天使、鬼、日本神話の原典 〜永井豪の世界〜

漫画
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今回は永井豪について語ります。

我々の世代にとっては小さい頃のTVアニメは「永井豪原作」が多数ありました。

私はTV→漫画の順でしたので正直、原作漫画を読んだ時はびっくりしました。

また、残酷シーン、エロシーンでトラウマになってしまうものがたくさんありました‥

多分、クリエイターさんにも多大な影響を与えられたと思います。

エヴァンゲリオンの庵野監督がデビルマンの影響を受けているのはご周知の通りだと思います。

今回ご紹介するのは、そんな

悪魔、神(キリスト教的な)

スサノオ

を最初期に取り扱った作品です。

具体的には

1、デビルマン

2、手天童子

3、凄ノ王

を取り上げていきます。

ではいってみましょう。

1、デビルマン

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感想(0件)

今更語るのも憚れる作品ですがいきます。

私がこの漫画を初めて読んだきっかけは、観ていたテレビ番組のデビルマンの原作だからです。

しかし最初から全く違っていて、デーモン一族がヒマラヤの氷山地帯に眠っていて、それが目覚めてくるのではなく、然るべき状況になったら、空間移動して現れ、精神状態が悪魔に近づくと合体される。というもので最初から合体に適した状況を作り出すために、ディスコ(死語 笑)で暴れるなどリアルな状況が小学生にはドキドキさせられるものでした。

以下、衝撃を受けた箇所について語ります。

*ネタバレありです。

衝撃のラストシーン

これ本当にトラウマでした。

人類もデビルマンもデーモン(悪魔)も滅びて終わり。

そして神だけが残った‥

この破熱的な結末は1970年代前半ならではなのかもしれません。

*他にも横山光輝の「マーズ」なんかも人類滅亡で終わりでした。

ヒロイン殺害

普通はヒロインは間一髪で助かりますよね‥

それがあんな殺され方で、しかも主人公が生首見てしまう。

これもトラウマ大でした。

敵は悪魔ではなく人間

途中で主人公たち悪魔と合体した人間=デビルマンは、人間に差別迫害されるようになる。

「人間の敵デビルマンを倒せ」が変わってしまう。

敵を倒すために知り合いの女の子の顔面をぶち抜く

亀の姿の悪魔で、食べた人間の顔が甲羅に浮かび上がる悪魔が出てきます。

この食べられた人は意識は元のままなのです。

倒すためには、この食べられた人を傷つけなければなりません。

そこで主人公は知り合いの顔面を拳でぶち抜いて倒します。

これもトラウマ大でした。

このネタは多くの漫画などに影響を与えています。

主人公が負ける

実はこの漫画で主人公が格好良く勝っているシーンは、ほとんどありません。

そして2巻目のシレーヌ編でシレーヌという悪魔に勝ちそうだったのに、最後の最後でカイムという悪魔と合体したシレーヌに負けてしまう。

しかも普通は主人公が負けそうになって、味方のキャラが命をかけて助けてくれるのがセオリーだと思うのですが、「逆じゃん」と思いました。

今の少年漫画なら、全くありえない展開でした。

後世の作品に与えた影響

この作品でキリスト教的な悪魔や神(天使)に関する興味を抱かれた方は多数です。

有名なところでは「エヴァンゲリオン」の庵野監督ですね。

またサバトが、魔物を引き寄せる鍵など「ベルセルク」もです。

そして、TVゲームの「真女神転生」シリーズなんかは、もっとこの「アメリカ寄り」、「中国寄り」、そして第3の「独自の道」というのをハッキリと描いています。

映像化作品

原作者監修でオリジナルビデオアニメが2作作られましたが、

未完で終わってしまいました。

最後のエピソードは音声ドラマで、Blu-rayには収録されています。

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実写でビーバップハイスクールの監督作品で作られましたが、今ひとつ違和感がある作品でしたね。

いわゆる「実写化失敗作」の筆頭として、今でも取り上げられています…

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そして最近Netflixオリジナルで作られ、時間数も多く、今までで一番原作のエピソードを映像化しましたが、舞台を現代に持ってきたのでラップ音楽やなぜか陸上競技を主要キャラがやっていたり、絵柄が永井豪ぽくないなど、こちらも今ひとつという感想でした。

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2、手天童子

「鬼」を取り扱った漫画作品としては最古参の方だと思います。

主人公が鬼にとって最重要人物らしいという事で、

主人公は何者?

鬼って何?

といった謎を抱えて徐々に主人公の能力も開花していき、仲間も出てきます。

以下、衝撃を受けた箇所について語ります。

*ネタバレありです。

敵ボスの正体

これはさすがにネタバレ控えますが、「そうきたか!」

と思わされました。

時空を超えた展開

起承転結の転の部分で急に現代から過去や未来に行き、スケールの大きさにびっくりさせられます。

主人公のバリヤの正体

これが最初の謎解きですが「主人公の能力」じゃなかったんだというのが、逆に新鮮でした。

エッチシーン

鬼がヒロインに変身するために、全身を舐め回すというシーンがあるのですが、いい意味のトラウマになっています。

ある意味、影響を受けていない魔物が登場するエロ漫画ってないのでは?と思われるシーンです。

後世の作品に与えた影響

前述のエッチシーンですが一時期流行った「幼獣もの」の漫画は影響を受けていると思います。

映像化作品

オリジナルビデオアニメが制作されました。

原作通りでちゃんと完結するのですが尺が短すぎて、多分、原作を読まれていない方は何がなんだか、よくわからないと思います。

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3、凄ノ王

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感想(0件)

日本神話のスサノオを凄ノ王として取り上げていますが、中身は超能力ものです。

そして、広い意味で「デビルマン」の焼き直しとも言えます。

*この「デビルマン」との比較は下記の記事に詳しく書きました。ご覧下さい。

「デビルマン」が1970年代前半の週末的な空気の中で描かれたために、人類滅亡という衝撃の結末でしたが、この「凄ノ王」は1980年代の明るい雰囲気の中、滅亡せずに壊滅的打撃を受けた人類が復興するという予感で終わります。

以下、衝撃を受けた箇所について語ります。

*ネタバレありです。

ヒロインが輪姦される

これは原作コミックの第2巻ほぼ全てを使ったヒロインの輪姦でしょう。

今なら規制に引っかかって、「少年マガジン」にこれを掲載するのは無理かと思われます。

当然、「行為」のシーンはリアルではないですが、そこまでに至る不良たちとのやりとりなどが、妙にリアルに感じるものでした。

これはトラウマです。

主人公が超能力に目覚めたきっかけをつくった者

これはネタバレしませんが、この作品最大の謎であり、この謎が明らかになったので連載が終わった感じです。

実際にはこの続きがあるのでしょうが、物語としては、ちょうどいい終わり方なのでしょうね。

後世の「完全版」で少しこの先が描かれていますが、こちらもちゃんと最後まで描いたというより打ち切りという感じでした。

後世の作品に与えた影響

漫画「バスタード」で「頂かせてもらたぜ。確かに処女だったぜ。」

というセリフがあるのですが、この作品からです。

映像化作品

「凄ノ王」には映像化作品がありません。

電子書籍版↓

以上、永井豪の代表作3作でした。

実はこちらの作品群が電子書籍で買えるサイトは一つだけです。

Yahoo!の運営しているebook Japanというサイトのみです。

このサイトは他にも永井豪と関係の深い、石川賢の作品なども取り扱っています。

また、漫画を電子書籍で購入する人には分かりやすい、本棚のデザインの自分の購入一覧があり、背表紙で管理できたり、と漫画好きにはたまらない仕様となっています。

オススメですよ。

追記
永井豪作品を購入できる電子書籍サイトが増えました!
「コミックシーモア」です。
永井豪作品は「ebook Japan」と「コミックシーモア」の2箇所だけなので、早くAmazonなどのサイトも解禁してほしいですね。

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